双姫 Ⅲ
颯真side
「……ハァ…。」
今頃、朱羽達は倉庫に居るんだろうか。
喧嘩の出来ない俺は危険に巻き込まれない様に
朱羽達と距離を置いてる。
学校では一緒に居るけど、外では行動しない。
「情けないよな……。」
俺の為を想ってくれてるって事は分かる。
でも、一緒に居る時間にズレが出来始めて
蚊帳の外扱いになってるのは
俺の思い込みだろうか?
俺が弱いから…だよな。
兄貴は初代『双神』総長。
「よし!俺も強くなる!!」
そう意気込んだ矢先、
「残念ながらそれは無理だ。」
ガンッ!!
「イッ!?」
後頭部に強い激痛が走り、意識が薄れていく。
「悪ぃな小僧、命令なんでな。」
覚えているのはニヤニヤと笑う男の顔だけ。
そこで俺の意識は完全に途切れた。
颯真sideEND