双姫 Ⅲ
ブッー!ブッー!!
『ん……誰?』
時計を見ると朝の六時。
『もしもし……?』
〈……もしもし、俺なんだが。〉
オレオレ詐欺はお断りなんですけど?
〈あ、疾風だ。
オレオレ詐欺じゃないから安心して(笑)〉
『へ?』
画面を見ると疾風さんと表示されている。
『疾風さん!?
ご、ごめんなさい!声出てました……?』
私の悪い癖が!!
〈こんな朝から電話した俺が悪いんだよ。
ビックリしたよね。〉
『も、申し訳ないです……。』
〈あはは(笑)
……ところで、話が変わるんだけど
颯真がどこに居るか知らないか?〉
『え…………?』
颯真?