双姫 Ⅲ
『指定された場所ってここ?』
どう見ても只の公園なんですけど?
「ここじゃなくてこの路地を抜けた所みたい。
バイクはここに停めて行きましょ。」
真綺が先頭に立って地図を頼りに進む。
「なーんか気味悪いね?
みどりんはなんでこんな所を指定したのかな。」
「誰も来ないからじゃないのか?」
道は狭く、朝なのに薄暗い。
知念の言う通り、ちょっと気味悪い…。
「………………なんか引っ掛るな。」
「僕もなぁ〜んか引っ掛るなぁ。」
蓮斗は何か考え込み、
亜蓮も蓮斗同様に考え込んでいる。
『あ、開(ひら)けてきたよ。』
狭かった道が急に開けて大きな広場に出ると、
『颯真ッ!!』
「来るなッ!!」
以前、バイクで襲われた時に居た男が
颯真を人質にとっていた。