双姫 Ⅲ
「ようこそ、始まりの地へ。」
ニヤニヤと不気味に笑う男。
「おい!颯真を離せッ!!
お前の目的はなんだ…!?」
「そーだな…お前ら潰してトップになるんだよ。
うちの次期組長がな?」
やっぱり、全部碧が?
「先ずは、そこの女二人を渡せ。」
「なッ…朱羽と蒼月をだと!!??」
「あぁ、あの『双姫』の娘をだ。
断ればこの小僧の首、切り落とすぞ?」
「イッ!!」
懐から出したナイフを颯真の首に当て、
そこから赤い血が流れる。
『止めて!』
なんで『双姫』の娘だって知ってるの!?
「さぁ、こっちへ来い。」
『……蒼月。』
「おねぇちゃん…。」
二人同時に踏み出し、男の方へ向かった。