双姫 Ⅲ
「元々お前はこのお嬢ちゃん達を
誘き出す為の只の餌だ。
捕らえた今、もう用はない!」
『止めてッ!』
ドカッ!
バキッ!!
「颯真!!」
目の端で皆が駆け寄るのを見る。
「皆…ごめん。」
「死ね。」
怪しげに光るナイフが
俺に向かうと同時に目を閉じる。
……あれ?
中々来ない痛みに疑問に思う。
「なぁ〜にやってんねん。
ここで男を見せんでどーすんのや!!」
この声って……。
勢い良く顔を上げると、
「なぁ?颯真。」
ニコりと笑う碧が男を片手で抑えていた。
颯真sideEND