双姫 Ⅲ
「まーちゃんが…組長?」
「ちょっと、碧!デタラメ言わないでよ!!」
「演技が上手いなぁ〜?
わいも騙されとったわ!
朱羽ちゃんと蒼月ちゃんが倉庫に来る迄はな??」
『私と蒼月が……?』
何が言いたいのか分からなくて困惑する。
「私が組長……?笑わせないでよ!!
どこにそんな証拠があるの!?」
「名前にあるやん?
千原 真綺の『千』と『騎』で『千騎』
前の組長も苗字と名前に付いとったん
すっかり忘れとったわ。
朱羽ちゃんと蒼月ちゃんを狙うんは
『双姫』を誘き出す為なんやろ?」
『お母さんを!?』
なんで?
真綺とお母さんは会った事ない筈なのに。
「……あーあ、バレちゃってたんだ。」
『真綺…?』
今迄見ていた笑顔とは違う、
黒い笑みを浮かべる真綺が居た。