双姫 Ⅲ
「全ての始まりとなった場所へ来い。
ダイレクトメールを送る時点で
私に恨みを持つ人物しか考えられない。
そして、この場所で何が起こったか知る人物の
中で少なからず関係のある人物の仕業。
だから…別に黒幕が居ると判断した。」
「……へぇ。
それだけで『飯嶌組』の騒ぎが嘘だと?」
「貴女には分からないわ。
自分の気持ちばかりで、
相手の気持ちを考えない人には。」
「……なんですって…?」
私もそうだった。
自分の気持ちばかりで周りの気持ちなんて
少しも考えてなかった。
あの時の私は純粋で黒く、醜い感情に縛られて
復讐に囚われていたの。
今のこの子の様に……。
「それに、面白い事を言うのね。
「無理解な奴ら」?
そう言う貴女も周りの事を
理解しようとしないのに自分の事は
理解しろと喚(わめ)くのね?」
同じ境遇同士、だからこそ私に出来る事を。
朱音sideEND