双姫 Ⅲ
「じゃあ…私の気持ちはどうなるの?
「忘れろ」って言うの?
「無かった事にしろ」って言うの!?
辛かった、寂しかったッ!!
いつも私の気持ちだけが一人歩きする。
いつも…いつも……私は『独り』なのよ!!!」
『違う!真綺は『独り』なんかじゃない!』
大声で否定され、振り向くと
朱羽が泣きそうな顔をしていた。
『だって、真綺が自分で言ってたじゃん。
「呼び名の『刻神』は
この時間を忘れない為につけた」って!
真綺にとって『双神』は
大切な場所だったんじゃないの!?』
「まーちゃん!」
知念。
「真綺。」
湊。
「真綺、戻ってきぃ。」
碧。
「真綺♪」
亜蓮。
「……真綺、忘れたのか?」
蓮斗…。
" お前、何してんだ?
もしかして…行くとこねぇのか??"
思い出したのは初めて蓮斗に会った時の事。