双姫 Ⅲ
「来ればお金あげるから、ね?」
「離してってば!」
意外に力が強くて振り払えない。
ガシッ!
「おい、オッサン…嫌がってんだろ?
離さねぇーならこの腕、へし折るぞ。」
「ヒッ!?」
怯えながら逃げる男を呆然と見つめ、
また座り込む。
「お前、何してんだ?
もしかして…行くとこねぇのか??」
「……そんなの無い。
私の居場所なんて、どこにも。」
「そうか。」
私と同じ位の男が目線を合わせる様に座る。
「なら、俺と一緒に来るか?
俺は蓮斗。お前は??」
「……真綺。」
連れて行かれたのは倉庫。
「おい、お前ら。
今日からコイツ、ここに寝泊りさせっから。」
「れーちゃん!…え゛ー!誰この子!!」
「お、蓮斗がついに女好きに?
俺と同じになったな。」
「湊と一緒にされたら終いやんな(笑)」
「女の子だぁー!
え、もしかして幹部に入れるのぉ!?」
「……?」
「保留。
今は真綺の居場所をここにしたいんだ。」
居場所…?