双姫 Ⅲ
その苛立ちのせいか、
つい意地悪をしてしまう私。
「蓮斗〜♡今日、一緒に寝泊りしよ?」
「俺はお前の抱き枕か?
ガキじゃあるまいし、一人で寝ろ。」
「えぇー!前は一緒に寝てくれたのに??」
「おい、誤解を招く言い方をするな。」
こんな会話をしてると機嫌が悪くなるのが一名。
『へぇ…蓮斗ってそんな奴だったんだ。』
「おねぇちゃん、顔がぁ〜!!」
『嫌い』だと言うくせに
妬くその姿が滑稽に思えた。
朱羽と蒼月はそんな私の醜い気持ちを知らない。
『真綺!』
「真綺〜♪」
「はいはーい!」
傷付ける相手に好かれる事がこんなにも
辛いなんて知らなかった。
憎しみの後から生まれた感情。
その感情を押し殺して私は自ら闇に堕ちた。
それでも、私が裏切った仲間からの言葉は
『真綺…真綺が私達を切り離しても
しつこく追い掛け回すからね!!』
「ッ!?」
こんな私を受け入れる温かい言葉だった。
真綺sideEND