双姫 Ⅲ
朱音side
「やっと、周りの気持ちが分かったかしら?」
陰っていた目の色が変わった。
「ずっと…ずっと恨んでた。
でも、皆と過ごす度に迷う自分も居たの。
結局……傷付けたけどッ………。」
痛い程分かるその気持ちに
自分を重ねてしまう。
「朱音、妹がこんな事をしたのは俺のせいだ。」
「……錦。」
「いや、元はと言えば全部俺が悪い。」
「魁…。」
魁も錦も変わった。
「「本当に、すまなかった!」」
「ごめんな…さいッ!」
私に向かって頭を下げる三人。
私にとってこの場所は思い出したくない、
けれど…決して忘れる事が出来ない場所。
「蒼空……良いよね?」
許しても……。
頬に涙が伝う。
そして、空に向かって微笑んだ。
朱音sideEND