双姫 Ⅲ
『お母さん…お母さん!!』
いきなりお母さんが目の前で倒れた事で
慌ただしくなる。
「おい!朱音!!」
「東条さん、揺さぶったら…「どけ!」うぉ!?」
ギリギリで受け止めた
東条さんを押し退け、お父さんが抱き上げる。
「神田!早く診ろッ!!」
「は、はいぃ!!」
半泣きの真白さんがお母さんの状態を診る。
「こ、ここじゃちゃんと診察出来ないから
直ぐに病院に運ばないと!」
「類!車を用意しました!!」
冷静に判断する的場さんが
手早く車を用意し、全員が乗り込む。
「おねぇちゃん…お母さん、大丈夫だよね?」
『…………大丈夫に決まってんでしょ?』
でも、真白さんの慌て様に青褪める。
「きっと、大丈夫だ。」
「うんうん♪大丈夫!!」
蓮斗と亜蓮が安心させる為か、
私と蒼月の手を病院に着くまで
ずっと、握り締めていてくれていた。