双姫 Ⅲ
バンッ!
「類!着きました!!」
車から勢い良く飛び出し、病院に入る。
静かだった院内が騒がしくなり、
お母さんはストレッチャーで運ばれた。
「類くん!後は任せて!!」
「頼んだぞ!」
白衣を着た真白さんが看護師を引き連れ、
診察室へ入って行った。
『お父さん…お母さん病気じゃ、ないよね?』
「何も聞いてないのぉ!?」
「…いや、俺は何も聞いてない。」
病院独特の消毒の匂いが私達の不安を
大きく膨らませた。