双姫 Ⅲ



朱音side


あぁ…懐かしい香りがする。


そう思い、目を開けると


「カサ…ブランカ?」


辺り一面真っ白な
カサブランカの花畑に私は立っていた。


「これは、夢?

確かに私はあの場所で皆と居て、
そしたら急に…「おねぇちゃん!」え??」


この声は……。


懐かしい声に涙が止まらない。


「蒼空ッ!!」


「おっひさぁ〜♪♪」


泣いてる私を面白そうに笑ってる。


「蒼空…私って死んだの?」


「そんな訳ないよぉ!

おねぇちゃんって直ぐ「死んだ?」って
聞くよねぇ〜(笑)」


だ、だって…。


「まぁ、死んだ妹が目の前に居たら
死んだって思うのが自然かなぁ……。」


「ッ!!」


その悲しそうな表情に俯く事しか出来なかった。


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