双姫 Ⅲ
コツっと頭に突き付けられた銃口。
銃なんてドラマの中でしか見た事ない。
アメリカは銃社会だから
良くある場面だと納得出来るけど、
まさか自分がその場面に居るなんて。
「大事な娘の頭が吹き飛んでも良いのか?」
感じる銃の冷たさ、
それだけで身体が硬直する。
死にたくない!
「要求はなんだ。」
「お前が俺の支配下になる事だ!
あの『神崎組』と同等の力を得られるからな!」
『『神崎組』……?』
神崎ってお母さんと紘叔父さんの苗字…。
「組長のくせに相手側の顔も知らないなんて。」
「馬鹿にも程があるな。」
お母さんもお父さんも呆れて豹柄男を見ている。