双姫 Ⅲ
『あ!お父さん!!』
俯いたお父さんが
診察室からフラフラと出て来た。
「お、お父さん?
お母さん……どっか悪いのぉ!?」
「………………。」
何も言わないお父さんに皆が青褪める。
「お…………だって…。」
『え?聞こえない!!』
ボソッと何か呟いたけど聞き取れなかった。
そして、お父さんがいきなり顔を上げ
「おめでただってさ!!」
悩殺もんの笑顔を見せた。
……おめでた?
「男かな?女かな〜??」
「「「「「『えぇーーーーーー!!??』」」」」」
世の中不思議な事が渦巻いてる。
それが自分にとって良いか悪いか、
どう捉えるかはその人次第。
ほら、一つの糸がまた紡がれる。
その糸は新たな物語へと誘う。