双姫 Ⅲ
怒りを抑え込み、映像を睨む。
抱き締め合う二人は顔を近付けていく…。
バキッ!!
「あ、壊しちゃった…。」
力を込め過ぎてスマホの液晶にヒビが入った。
「これは、どういう事だ?」
用済みとなったスマホを天空に渡す。
「え……え?…だから、仕事って……ヒィ!!」
『お、お父さん!落ち着いて!!』
「お仕事だからね!?こ、怖いよぉ(涙)」
朱羽と蒼月が朱音を庇う様に立ち塞がる。
「朱音、誰のモノか教え足りなかったか?」
「充分過ぎます!大丈夫です!!
それにキスしてないから!」
高いヒールで逃げる朱音を追い詰める。
「へぇ、キスしそうな距離だったのか。」
「うぁ…うぅ……。」
うるうると涙を溜める瞳が揺れる。
「そんな顔をしても許さない。」
捕らえようとした時、
ガァーン!
近くで大きな音がした。
類sideEND