双姫 Ⅲ
獣
お母さんがお父さんに捕まる。
そう思って見ていたら後ろから大きな音がした。
『な、何?』
「なんかいっぱい来たぁ〜!」
後ろを振り向くとさっきとは
比べ物にならない位のヤクザが居た。
武器を持っていて、焦点が合っていない。
「あぁ〜?これはなんの騒ぎだぁ〜??」
フラフラと倉庫に入って来るヤクザ達。
「おぉ〜?
『樺沢組』と『神崎組』の組長さんじゃんか!」
「そう言うお前らは『夜菊組』の傘下か。
……悪いが、お前らに構ってる暇はない。
痛い目に遭いたくなかったらサッサと帰れ。」
お父さん…完全に八つ当たりでしょ……。
「あ〜?若造のくせに生意気だなぁ。
この人数相手に勝てると思ってんのか?」
『さっきより多い……。』
こんな大人数、勝てるの?
「そうか、丁度苛立ってたんだ。
特別に相手してやるよ。
手加減出来るか知らねぇけどな!」
そう言ってお父さんは一人で殴りかかった。