双姫 Ⅲ
『ねぇ!撃たれたって何!!??』
真白さんを宥めるお母さんの腕を引っ張った。
「……帰って話すつもりだったけど
その様子だと待てないわよね。」
よしよしと頭を撫でられる。
「私が魁を恨んでた事は類から聞いたでしょ?」
「うん、聞いたよぉ…。」
無理矢理にだけどね……。
「私はここに居る皆と出会う前は荒れてた。
紘にぃや両親、『神龍』は
私を止めようとしたけど止まらなかった。
それ程、魁の事が憎かった。」
お父さんから少し聞いてたけど
お母さんの憎しみの闇は深かった。
だって、実の妹を殺されたら私だって……。