双姫 Ⅲ


「でもね、皆に出会って変わったの。

憎しみに駆られた事もあったけど、
見捨てないで止めてくれた。

それで、魁を連行しようとして時に
『蛇蝎』の副総長だった錦っていう男が
拳銃を片手にその場に現れた。」


「その錦が私に銃口を向けた時死ぬって思った。
でも、痛みがなくて目を開けると、

朱音が私を庇って撃たれていたの。」


『「……ッ!!」』


お母さんが庇って……?


「あの時は必死だったからね(笑)

真白が拉致られた日に夢を見た。
血に染まった真白を私が見下ろしてる夢……。

幼い私が私に呟くの。
「また助けられなかったね。」って。

その夢を実現させたくなくて
迷わず真白の前に飛び出したわ。」


自分が死ぬかもしれないのに
どうしてそんな事が出来たんだろう。


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