双姫 Ⅲ
「寿命縮まったよぉ…。」
「もう、大袈裟だから。
今が元気だから良いじゃん。」
お母さん…暢気過ぎるよ。
「それで意識不明の重体になったのは
どこの誰ですかねぇ!!」
「はーい、私で〜す。」
「ったく、あの仮面が無かったら
即死だったんだからね!分かってんの!!??」
仮面?
「仮面って顔に付ける仮面〜?」
「朱音は『双姫』になる時だけ
黒と白の半分の仮面を付けてたの。
その白い仮面で運良く弾丸の軌道が逸れて、
心臓近くで止まった。」
『し、心臓近く!!??』
それって笑い事じゃないじゃん!
「昔の事よ、後遺症も無いし。
傷も言われないと分からない程度よ。」
笑いながら話すお母さんは強いなと思った。