双姫 Ⅲ


「寿命縮まったよぉ…。」


「もう、大袈裟だから。
今が元気だから良いじゃん。」


お母さん…暢気過ぎるよ。


「それで意識不明の重体になったのは
どこの誰ですかねぇ!!」


「はーい、私で〜す。」


「ったく、あの仮面が無かったら
即死だったんだからね!分かってんの!!??」


仮面?


「仮面って顔に付ける仮面〜?」


「朱音は『双姫』になる時だけ
黒と白の半分の仮面を付けてたの。

その白い仮面で運良く弾丸の軌道が逸れて、
心臓近くで止まった。」


『し、心臓近く!!??』


それって笑い事じゃないじゃん!


「昔の事よ、後遺症も無いし。
傷も言われないと分からない程度よ。」


笑いながら話すお母さんは強いなと思った。


< 86 / 520 >

この作品をシェア

pagetop