双姫 Ⅲ
双姫の子
「朱羽、右から来るわよ。」
『おっとっと!』
避けてーの、
バキッ!!
顔面に一発!
「目の前の奴ばかりに気を取られない事。」
私に背を向けながらアドバイスをくれる。
見てないのに分かるなんて、
背中に目があるみたい…。
「♪〜♪♪〜♪」
ドカッ♪
バキッ♪♪
『……蒼月は相変わらず怖いわ。』
鼻歌をしながら殴ってるんだもん。
「蒼月の喧嘩の仕方が
芦基ソックリなのはどうして!!」
芦基叔父さんもこんな感じなんだ……。
想像してみると寒気がする。
だって、可愛い顔してヤる事がえげつない。