双姫 Ⅲ
黒双姫
『お母さん……?』
フラりと私と蒼月から離れるお母さんに
少し違和感を覚える。
「ち、近付くな!
少しでも近付くとコイツを殺す!!」
天空の首にナイフを当てるヤクザは
近付かないように要求する。
カツン、カツン…
それでもお母さんは足を進める。
「朱音!まさかお前ッ!!」
皆が慌て始めた。
何をそんなに慌ててるの…?
「殺すなッ!!!」
「朱羽ちゃん!蒼月ちゃん!朱音を掴んでぇ!!」
『「え……?」』
殺すな?掴んで?
「天空、目を閉じてなさい。
直ぐに終わらせるから。」
私達が慌ててる間に
お母さんはヤクザへ突進して行った。