初恋は叶わない
花火Ⅱ
「こんなに近くで見るの初めてー!」
「スゴイねー、キレイだねぇ」
「わー!見た?今の見た?最後に、キラキラってなった!ねぇ!」
足をばたつかせて、子供のようにはしゃいでるのは私一人。
早川は何も言わずに空を見上げている。
噎せ返るような人ゴミから少し離れて、高いブロック塀の上に二人、
微妙な距離で並んで腰かけて。
「…早川って、いい人だね」
一段落した花火から目を離して声をかけると、
向こうもこっちを見ているのに、ドキっとさせられる。
「今頃気づいたか」
エラソーに言って、頭を小突いてくるのは、照れ隠しなのかな。
「元気づけようとしてくれたとか?」
その表情を確かめたくて、身体を傾けると
「聞くなよなー、いちいち!」
って、怒って向こうを向いてしまった。
「だって、聞かなきゃわかんないじゃん」
背中に向かって文句を言っても、
「うるせぇ。
ほら、また上がった」
もう前を向けと言うように、顎で空の方を指す。
二人で同じ空を見ながら、どうってことない話をして、
ただそれだけのことで、少しスッキリしていく気持ち。
ホントはこのモヤモヤ、何もかも話してしまえたら、
もっとラクなんだろうけど。
「スゴイねー、キレイだねぇ」
「わー!見た?今の見た?最後に、キラキラってなった!ねぇ!」
足をばたつかせて、子供のようにはしゃいでるのは私一人。
早川は何も言わずに空を見上げている。
噎せ返るような人ゴミから少し離れて、高いブロック塀の上に二人、
微妙な距離で並んで腰かけて。
「…早川って、いい人だね」
一段落した花火から目を離して声をかけると、
向こうもこっちを見ているのに、ドキっとさせられる。
「今頃気づいたか」
エラソーに言って、頭を小突いてくるのは、照れ隠しなのかな。
「元気づけようとしてくれたとか?」
その表情を確かめたくて、身体を傾けると
「聞くなよなー、いちいち!」
って、怒って向こうを向いてしまった。
「だって、聞かなきゃわかんないじゃん」
背中に向かって文句を言っても、
「うるせぇ。
ほら、また上がった」
もう前を向けと言うように、顎で空の方を指す。
二人で同じ空を見ながら、どうってことない話をして、
ただそれだけのことで、少しスッキリしていく気持ち。
ホントはこのモヤモヤ、何もかも話してしまえたら、
もっとラクなんだろうけど。