初恋は叶わない
しっかし、見事にカップルだらけだなぁ…。
最初から場違いな気はしてたけど。
そんなのおかまいなしで、
私たちは言い合いばっかりしてる。
ちょっとでも意識しちゃったのが、
バカらしくなるくらい。
まあ、変に気を使われて、
優しくされても気持ち悪いし。
これぐらいがちょうどいいのかも。
そんなことを考えてると、
視線に気づいた早川が立ち止まる。
「なんだよ?なんか言いたそうだな」
そんなに見つめ返されると、
何も言葉が出てこないよ。
多少強引ではあるけど、
連れてきてもらって、一緒にいてくれて、
感謝してるのはホント。
だけど、ここまでずっと、あの調子だし。
「…なんか、ごめんね」
伝えたいはずの「ありがとう」が、
面と向かってはなかなか言えない。
やっと言えたのは、謝罪の言葉で。
「なんだよ急に?気持ち悪いな。
何が『ごめん』?」
おどけたように首をかしげて、にっこり笑ったと思ったら、
「それに、謝られるの、あんま好きじゃない。
『ありがとう』なら、悪い気しないけど」
心の中を見透かされたような気がして、
頬が熱くなる。
ただ1つの言葉を待って流れる沈黙の時間が、
永遠に思えた。
催促なんかされたら、
余計に言えなくなるじゃない!
だけど、そうでもされなきゃ、
言えない自分がいるのもわかっていた。
「ありがとね」
覚悟を決めて、絞り出すような声で告げると、
「どういたしまして」
くすっと肩をすくめて、また歩き出す満足げな表情が、
なんとも憎たらしい。
言わなきゃよかった。
さっきはあんなに、自然に言えたのに。
最初から場違いな気はしてたけど。
そんなのおかまいなしで、
私たちは言い合いばっかりしてる。
ちょっとでも意識しちゃったのが、
バカらしくなるくらい。
まあ、変に気を使われて、
優しくされても気持ち悪いし。
これぐらいがちょうどいいのかも。
そんなことを考えてると、
視線に気づいた早川が立ち止まる。
「なんだよ?なんか言いたそうだな」
そんなに見つめ返されると、
何も言葉が出てこないよ。
多少強引ではあるけど、
連れてきてもらって、一緒にいてくれて、
感謝してるのはホント。
だけど、ここまでずっと、あの調子だし。
「…なんか、ごめんね」
伝えたいはずの「ありがとう」が、
面と向かってはなかなか言えない。
やっと言えたのは、謝罪の言葉で。
「なんだよ急に?気持ち悪いな。
何が『ごめん』?」
おどけたように首をかしげて、にっこり笑ったと思ったら、
「それに、謝られるの、あんま好きじゃない。
『ありがとう』なら、悪い気しないけど」
心の中を見透かされたような気がして、
頬が熱くなる。
ただ1つの言葉を待って流れる沈黙の時間が、
永遠に思えた。
催促なんかされたら、
余計に言えなくなるじゃない!
だけど、そうでもされなきゃ、
言えない自分がいるのもわかっていた。
「ありがとね」
覚悟を決めて、絞り出すような声で告げると、
「どういたしまして」
くすっと肩をすくめて、また歩き出す満足げな表情が、
なんとも憎たらしい。
言わなきゃよかった。
さっきはあんなに、自然に言えたのに。