初恋は叶わない
「孝です」

「孝くんかぁ。すっごい焼けてるねー。

部活やってるの?」

「はい。サッカー部なんで」

「へぇ。かっこいいじゃん、サッカー!

チャラいと思われがちだけど、

けっこう大変なんだよねー!」

「はあ、まあ」

「じゃあ、今日は部活休みなんだ?」

「はい」

「そっかー。ごめんねー、お邪魔しちゃって」

「はい、え?」


ひたすら頷き続けていた早川が、

ここで初めてフリーズする。

隣で二人のやり取りを聞いていた私も同じ。


「練習忙しいとデートもできないでしょ?

せっかくのお休みだもん。

やっぱ二人っきりになりたいよね?」


最後の一言は、意味ありげに声をひそめると、

わかるわかるって、うんうんうなずくレイナさん。


「レイナさん」


修ちゃんがやたらハイテンションなレイナさんを

制止しようと声をかける。

本人はキョトンとして、


「修クンだってそう思うでしょ?

そう言ってたじゃない」


全く動じない。

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