初恋は叶わない
「えっと、あの、わかんないトコがあって」

「ふぅん。それでオレに助けを求めてたのか」


チラチラ見てたから、そう思った?


そう思ってくれた方が、

私としては助かるけど。


「だったら早く言えばいいのに。

で?どこがわかんない?」


私が握りしめてるシャーペンを、

修ちゃんのきれいな長い指が抜き取った。

器用にくるくる回しながら、

質問を待っている。

その様子をぼんやり眺めてると、


「かりん?」


どうかしたのかって、

修ちゃんは不思議そうな顔してる。

修ちゃんがさっきから、

いつもとなんか違うから、

おかげで私、なんか体が熱くて、

胸がドキドキして、

金縛りにあったみたいに動けなくなって…。

お願い、これ以上接近しないでー。


ブルブルブルブルブル、ブルブルブルブルブル…。


バイブになってる修ちゃんのケータイが、

テーブルの上でカタカタ揺れている。

助かったー。
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