初恋は叶わない
「昔はフツーに呼んでたよなぁ?
それがいつのまにかさぁ。
ま、反抗期だから仕方ないか…」
「そんなのとっくに終わってます!」
「あ!…そういえばさぁ、
『お兄ちゃんのお嫁さんになるー!』とか言ってなかったっけ?」
「言ってないから!」
強く言い返すけど、修ちゃんは何も言わずに、
ただニヤニヤ笑ってる。
こんなに近いと、誤魔化しきれないから困る。
動揺してるのバレたくないのに!
だって、だんだん、
色々思い出してきちゃったんだもん。
確か、お姉ちゃんが言ったんだ。
「『お兄ちゃん』とは結婚できないんだよ」って。
自分より修ちゃんに懐いてた私に、
イジワルで言っただけなんだろうけど。
『お嫁さん』になりたかった幼い私は、
『お兄ちゃん』って呼ぶのやめる決心をして。
そこまで思い出して、一人赤面する。
だって『お嫁さん』って!
完全に忘れてたけど、
そんなこと考えてたんだ私。
子供って恐ろしいな。
頭を抱えているところに、
「ヴィーッ、ヴィーッ」
放りっぱなしになってた修ちゃんのケータイが、
また音をたてた。
それがいつのまにかさぁ。
ま、反抗期だから仕方ないか…」
「そんなのとっくに終わってます!」
「あ!…そういえばさぁ、
『お兄ちゃんのお嫁さんになるー!』とか言ってなかったっけ?」
「言ってないから!」
強く言い返すけど、修ちゃんは何も言わずに、
ただニヤニヤ笑ってる。
こんなに近いと、誤魔化しきれないから困る。
動揺してるのバレたくないのに!
だって、だんだん、
色々思い出してきちゃったんだもん。
確か、お姉ちゃんが言ったんだ。
「『お兄ちゃん』とは結婚できないんだよ」って。
自分より修ちゃんに懐いてた私に、
イジワルで言っただけなんだろうけど。
『お嫁さん』になりたかった幼い私は、
『お兄ちゃん』って呼ぶのやめる決心をして。
そこまで思い出して、一人赤面する。
だって『お嫁さん』って!
完全に忘れてたけど、
そんなこと考えてたんだ私。
子供って恐ろしいな。
頭を抱えているところに、
「ヴィーッ、ヴィーッ」
放りっぱなしになってた修ちゃんのケータイが、
また音をたてた。