初恋は叶わない
「うーん、相手があの人じゃなぁ…。

ま、フラレても仕方ないって」


ずいぶん考え込んでたクセに、

ようやく出てきたセリフがそれってどうなの!?

どういう思考回路で、

そういう言葉選ぶ気になるのかな?

あまりにもストレートすぎて、

怒りより驚きが先に来る。

っていうか、別に私、告ってないんだからフラレてないでしょ!

さっきの行動は、自分でも意味不明だけど、

付き合いたいとかそういうんじゃないんだし。

ていうか、早川、

私が修ちゃんのこと好きだと思ってたの?

どんどん浮かんでくる疑問符の渦の中から私を引き戻すように、

早川が追い打ちをかけてくる。



「あれ?違ったか?」



自分がヒドイこと言ってるって自覚あるのか、コイツ。



「違うし!私別にっ、フラレてなんか」



ムキになって言い返しながら、なんかむなしくなってきて、

それ以上は言う気にならなかった。

向こうはそんな私の様子を肯定と受け取ったらしく、さも満足げに



「やっぱフラレたんじゃん。」



「うるさい!何回も言わない!!」



もう恥ずかしいのか情けないのか、

自分でもわからなかった。

あんまり腹が立って、

ことのいきさつを説明する気にもならない。
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