初恋は叶わない

夏が始まる

大学受験を控えた高３の夏休み。

そりゃ、

勉強しなくちゃいけないのもわかるけど。

一生の思い出に残るような、

青春まっただ中な出来事が、

待ってると思ってたのに、現実は違ってた。

もう７月が終わろうとしているのに、

ただ暇で暇で仕方なくて、暑いだけの夏休み。

無理矢理行かされている、

予備校の夏期講習以外には、特に予定もない。

週一回、水曜の夜の修ちゃんの家庭教師だけが、

私にとっての唯一のイベントだった。

今頃みんな、彼氏と遊んでるんだろうな。

それとも、

まじめに勉強に明け暮れているとか？

いやいや、私の友達に限ってそれはない。

連絡しても返事はないし、もう、

いちいちケータイ見るのもバカらしくなって。

ホント女同士の友情なんてあてにならない。

逆に、なんで私は暇なのかって、

そうそれは、彼氏がいないから！

ま、それだけが理由じゃないのは、わかってる

んだけど。
< 8 / 159 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop