儚い瞳の守り人
「ご飯一緒に食べさせてくんない?」
昼食の時間。仁くんがいるときはわたしと依ちゃんと仁くんの3人で食堂で食べることが常。
そこに入って来たのが沙鷗 泉だ。
わたしの隣にお盆を置いた彼は、わたしたちが断ろうが何しようが多分隣に座るだろう。
仁くんをちらりと見てみるが特に気にした様子もなく山盛りになったご飯をただガツガツ食べている。
依ちゃんは『やっぱりね』といった表情で、こちらも特に気にする素振りを見せない。
「いい…よ」
もうちょっと助けてくれたっていいのに、意地悪。
そこからはたわいもない話をして、というかわたしから話すことはなく、相槌を打ってただけ。
あとは時々依ちゃんがわたしの沙鷗に対する素っ気ないような態度に対して、恨めしそうな目線を送るぐらい。
お盆を返却口に返そうと席を立つと沙鷗も立って、わたしの耳元で囁いた。
「今日、放課後2人きりになれる?」
「えっ……とそれは、護衛がいるから無理」