儚い瞳の守り人
第一章
龍の瞳(蓬)の日常
わたしの1日はまず起きた瞬間から始まる。
目覚ましが鳴って、ホテルのようなセキュリティ万全の部屋から朝ご飯を食べに出ようとすると、その向かいの部屋にいるわたしの守り人はすぐに出てくる。
わたしが部屋から出ない場合は寝起きから15分後にわたしの部屋をノック。
そして返事がないとプライバシーという言葉を知らないのかと思うくらい普通にロックを解除。
だからわたしが起きてから朝ご飯を食べに出るまでの猶予は約15分しかない。
睡眠時間も管理されてるので、勝手に目覚ましを早く鳴らすのもNG。
その15分の中で寝起きの顔を見せまいと、わたしは何年前から意識し始めただろうか。
覚えてないけど……少なくとも小学生のときは気にしてなかった。
わたしは急いでベットから降りて、綺麗に掃除された塵や髪の毛ひとつない洗面所の鏡の前に立つと絶望的な気持ちになった。
やばい…時間がないっ‼︎