儚い瞳の守り人

「それに俺たちには守るという義務があるだけで、蓬先輩の行動の自由を奪う権利はないんですよ」

「それでも……わたしが」

困ってたことは知ってたでしょ？


そんなわたしの感情的なことが今頑なに喋っている仕事モードの仁くんには通用しないような気がして、わたしは途中で言葉を切った。


あくまでも仁くんはわたしと違って冷静にひとつひとつの言葉を発する。


「嫌なら自分で断るべきですし、俺はもう少し蓬先輩が他の人と関わるべきだと思ったんです」


「蓬先輩は、俺たち、というか萊斗さんが過保護なことに甘えて依存し過ぎてる。でもこのままずっと頼ってるといつか足をすくわれますよ」

「……」


確かに…そうだ。

何も言えない、どんぴしゃ過ぎて。


萊に依存してるという意味が、みんなが言う本当の意図が目の前につき出さされた。


わたしはやっぱり、頼るということに甘えてるんだ。

……でもどうすればその甘えを断ち切れるのか、それがわたしにはどうしても分からない。