儚い瞳の守り人


「おふたりでやりあってるところ悪いけど、沙鷗 泉の情報聞きたくなぁい?」


わたしたちの沈黙を破るかのようにおちゃらけた口調でそう言った依ちゃんは、微妙な空気になったわたしたちを気遣ってくれたのかもしれない。


「それは是非教えて欲しいです。危険人物の要素を少しでも持ってると危ないですし」

「まぁそれはないわね。そんなことあったら国が管理するこの学校に入れさせてもらえない」


セキュリティが万全なことで有名なこの学校は、犯罪にあいやすいお金持ちや有名人が安全のために入るらしいから、成績関係なく入学者を選んでいるいう話は聞いたことがある。


「情報って言ってもそんな滅多なものじゃないのよ?

まず彼のお父さんが経営している株式会社サオウは新薬の研究を中心にしてる会社みたいね。

ずっと不調だったんだけど最近研究の成果をあげたみたいで、ヤフーニュースにも載ってた」


「そして家族構成はお母さんとお父さんお兄さんが1人。お兄さんは大学卒業したばかりでもちろん次期社長候補。弟の泉の方は比較的自由にさせてもらってるらしい」

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