儚い瞳の守り人

無双の仲間




「これから二次面接審査を始める」

「名前、年齢、特技を簡潔に述べなさい」


窓がひとつあるだけの密室の部屋。

その窓から差し込む太陽の光が丁度中央にいる審査長の中麻(ナカアサ)のところに当たり、彼はハンカチで汗をさっと拭くと堅苦しい口調で指示を出す。


その脂汗と言いおでこからハゲそうな頭と言い、年齢は40代前半を思わせるが実際のところは30代前半。


2年見ないうちにこんなに容姿が老けたのだから、かなりの心労やストレスを抱えてきたのだろうと国のお役人をほんの少し同情する。



そんな警察庁から来た審査長、5人の名前の知らない審査官、推定60人程の審査対象が空き家のようなボロボロのビルの一室、密閉空間に閉じ込められている。


やろうどもばかりで暑苦しいな…。


その中に閉じ込められている一人、榎本 萊斗(エノモトライト)はしっかりと結んであったネクタイを引っ張り緩めた。


これぐらい勘弁してくれよ。

審査官の眉が微かに動くが、俺だと把握するとすぐに別の審査対象に目が移った。


しっかりと着こなせと言われたスーツとボタンを開けることなく着たシャツ、手は軽く握って膝の上に乗せている。


言われたように全部やってんだ。

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