儚い瞳の守り人
俺の隣の人の番になり、気付くのが遅れるぐらいに音も立てずたった女の人は、食いつくような鋭い目付きで審査官の方を真っ直ぐ向いた。
審査官たちよりも鋭いその目は猫のような、いやそれを通り越して獲物を狙う虎のような目だ。
その半端ない目力に整った顔が加わって、美人としか言いようがない。
一次審査に通る女性というのは珍しいどころか初めてかもしれないが、度胸がありそうな態度と言いこの姿勢と言い、通過させるだけの何かはあるのだろう。
「須藤 奏愛(スドウ カナメ)25歳です。特技は仕草、表情、癖などから先の行動を読むこと。それにおいてわたしに勝る人はいないと思います」
ーーだからあんな目、か。面白いな。
そのしゃんとした姿勢のまま彼女は椅子に座り、自分の能力に自信があるのがよく分かる。
……次は俺。
堂々とやれ、と言われたのでその通りに胸を張って大きく息を吸い、声のボリュームを上げて喋った。