儚い瞳の守り人


目がボンボンに腫れてる、髪の毛が色んな方向に跳ねてる、飛んでる……っていうか顔崩壊寸前‼︎


「あー最悪」

昨日、髪の毛乾かさずに寝たから……それに何の顔のケアもせずに。


ただでさえむくみやすい体質なのに、わたし花枝 蓬(ハナエダヨモギ)はこうやっていつもその場しのぎで楽に流れて後から苦労する。

それでも懲りないものだからわたしはとんだ馬鹿だと思う。


急いでクシとアイロンとケープを取り出すと髪の毛を直し始めた。


髪の毛のハネだってなんだってアイロンの前に跪け‼︎



「蓬せんぱい。7時20分です。起きてますか?朝食の時間ですよー」

「まっ待って‼︎あとちょっと」


アイロンで寝癖のカモフラージュのようにクルクルに巻いて前髪はケープで固めた。

そして、いつものように左目を眼帯で隠す。


よし、完了。


急いで着替えを済ませると、内側からも暗証番号がいるドアを開けて、部屋の外に出た。

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