儚い瞳の守り人


無双会。

長が街中にいた学生の不良たちを掻き集め作った組織で、強い者を育てるためというのが長がメンバーに説明する会の目的だが、社会に出て行った時に不良たちが団体生活で苦労しないようにというのがここを作った理由らしい。


部活みたいなもんだ、と長は俺がこの会に入ったとき話してくれた。



1年くらい前だろうか。

俺は長にスカウトされてこの無双会に入った。


その頃の俺は、すぐに辞めていく他の守り人の意識の低さに飽き飽きして、龍人たちを守る強いやつが欲しくて、探す当てもなく街中を歩き回っていた。


そんな俺のことを聞きつけた長が声をかけてきた。


『お前、俺の会でNo.1になれ』


その時の長の強制力と圧迫感は今でも忘れない。その後に思い出したかのように説明が付いた。


「お前強いやつを探してるんだろ?俺の会では強いやつを育ててるからな、強さで見劣りはしないだろう。その代わりの条件がNo.1になること、つまり俺の会の中で1番強くなることだ」

< 33 / 94 >

この作品をシェア

pagetop