儚い瞳の守り人


顔が赤くなっていることが自分でも分かって羞恥心が襲ってきた俺は長からは顔が見えない方向に身体を向けた。


「ほっといたらいつか取り返しのつかないことになるんじゃないかって心配してるから俺は言ってやってるんだぞ」

「なりません‼︎」


「否定しか出来ないところがまだまだ子供だなぁ。お前の高校生らしさが垣間見えて俺としては嬉しいが」


もう対抗する術をなくした俺はうなだれた。


そういうの、苦手なんだよ。

恋とか、女とか。自分のことだと思うと色々羞恥が込み上げてくる。


他人のことはどれだけでも言えるが当事者になるとからっきし駄目で、女の気持ちとかいうのにも鈍いのは自覚している。

ほんと勘弁してくれ……。


「あ、萊斗さんだぁー」

「おっ。お久しぶりっす」

「また男前度増してません?」


ジムから汗を流しながら出てきた、無双会のいかにも不良丸出しのメンバーが、ぞろぞろと俺と長の周りに群がって来た。


ふぅ。助かった…。

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