儚い瞳の守り人
ドアを開けたわたしの目の前には、朝早くから整った完璧な笑顔をこちらに存分に向ける少年がいる。
「おはようございます。蓬先輩」
「おはよう仁(ジン)くん」
「今日も朝から決まってますね」
「ありがとう。えっ……と、ところで萊(ライ)は?」
その名前を聞いた瞬間に膨れ顏で横を向いた今年から配属されたわたしの第二守り人、玉城 仁(タマシロジン)は食堂に向かう足を少し速めた。
「萊斗さんは審査会です……それにしてもいっつも萊斗さんばっかりですよね先輩。俺ではそんなに頼りないですか?」
「そんなことない。仁くんは守り人の中では最年少だけど実力も十二分に認められてると」
「そういうことは聞いてないです。気持ちがどうかって聞いてるんです」
そう言うとまた仁くんは足を速めて、わたしはそれに追い付くのに精一杯だ。
「実力面は精神面にも繋がるでしょ?もちろん安心に決まってる。ねっ?」
はぁ、と溜め息をつかれてしまい不本意だけれど、何も言わなくなった後輩に一安心。
でも萊が審査会って……。