儚い瞳の守り人
だってこうやって沙鷗と話すことが出来たのも仁くんだったから。
萊が護衛の日だったら、危険だとか何とか言って、何としてでもわたしと沙鷗を離してたと思う。
わたしの生活は制限の連続。
それがわたしにとっての当たり前だったけれど、こうやって普通の女子高生がしてもいいようなことを体験して、それを制限されると、当たり前ではないということがよく分かる。
何で……こんな。
わたしだって龍人って言っても普通の女子だし、普通の高校生なのに。
何も危害を加える訳でもない瞳なんだから。
少しぐらい他の人といたって別にいいじゃない、萊のケチ。
部屋に入ってベッドに倒れ込んだわわたしは充電中の置いていったスマートフォンを、寝転がりながらいじる。
……こんなことしてても怒られるんだろうな。
『ただでさえ片目しか使えないのにこれ以上目が悪くなったらどうすんだ‼︎』なんて言ってる萊は脳内で容易く想像出来る。
萊に対する罪悪感を消すように首を振った。