儚い瞳の守り人


LINEを開くと滅多にない通知が一件。

鷹姉からだ。


『今から飲み会しない?今日は亜紀付きだけど』

わぁ……久しぶりだ。よっしゃ‼︎


大学生で龍人という同類の仲間である鷹姉は、たまにこうやってわたしを気遣って色々なことに誘ってくれる。


鷹姉の言う『飲み会』というのは、鷹姉の部屋でお喋りをする会であって、鷹姉や亜紀兄はお酒だけどわたしは未成年だからジュース。


色んなぶっちゃけたことも話せるし、鷹姉の明るい性格もあって盛り上がる。

それに何の引け目もなく話せる人が相手だからか心が緩んでホッとする。


わたしは急いで返信すると、部屋を飛び出した。


「どこ行くんだ」

勢い良くドアを閉めると、向かいの部屋から萊が出てくる。


「鷹姉のとこ」

「そこまで付いてく」


「いいよ別に。大学寮すぐ隣だし。じゃあおやすみ」

逃げるように走ってその場から去ると萊は何も言わず、わたしを追っても来なかった。

< 49 / 94 >

この作品をシェア

pagetop