儚い瞳の守り人


「で?何て?」

亜紀兄の言葉はそっちのけで鷹姉は興味津々に聞いてきて、ちょっと亜紀兄可哀想だよ…。

亜紀兄はとくに気に留めた様子もなく、わたしの話に耳を傾けている。


「……何か一目惚れしたとか」

「えー⁉︎うそぉー」

鷹姉はきゃっきゃっしながら、ベッドから持ってきた丸型のクッションを手でバンバン叩いている。


新鮮だなぁ。

わたしの周りには、って言っても依ちゃんぐらいしかいないけどそういう反応をする人はいないから何だろう。


恋バナ…してるときみたいな。



「で、返事はなんて答えんだ?」

鷹姉ほどではないけれど少し興味があるような顔で亜紀兄はわたしに問いかけてくる。


「一目惚れしたって言われたときは返事するべきなの?わたし、その後沙鷗に会ったけど何も言われなくて…」


「それは待ってるんでしょ‼︎」

「え、そうなの?」


「蓬はどう思ってんのよ」

どうって言われても……。

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