儚い瞳の守り人


どちらとも真面目でしっかりしてたし、鷹姉たちもそんな2人を信頼してた。

お金のために守り人に就いていたとしても、理由を言わずに急に辞めるなんてことする人たちには見えない。


いっそのこと取って付けたような適当な理由でも言われたら、鷹姉のショックも和らいだかもしれないのに……。



「そういうところだけ謙虚だよな、鷹は」

「うっさい亜紀」


今にも泣きそうな顔になっている鷹姉を、いつものように済ました顔で亜紀兄は茶化している。


この2人の関係は『幼馴染み』という言葉そのままで、お互いを分かり合ってるからこそのやりとりなんだってことがよく分かる。


「まぁでも守り人が変わるなんてしょっちゅうだしな。赤の他人と、それも相手を優先させながら生活を共にするっていうのはかなり面倒臭い」

「守られる人を思う、愛がない限りね」


鷹姉は少し寂しそうな顔でそう言うと、一気飲みをしてオヤジみたいに『プハァ』と息を吐いた。

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