儚い瞳の守り人


「よし。もう気にするのやめた‼︎飲むわよ、亜紀」

「そうだな」


「鷹姉、ジュースある?」

「もちろん冷蔵庫の中に常備してありましてよ?」

わたしが取りに行こうと立ち上がると、急に服の裾を引っ張られてわたしは倒れるように手をついて座った。

鷹姉……?


「……萊斗が貴重ってこと、分かったなら大事にしなよ」

わたしに耳打ちするように呟かれた言葉が、何だか耳に痛かった。


……知ってるよ。

わたしたちだって鷹姉と亜紀兄みたいに幼馴染みで、わたしをどう思ってるかは分からないけど、本当に守ろうとしてくれてること。


だからこそ守られてばかり、頼ってばかりいられないことも。


でもどうすればいいの?

みんな依存してるとか、大事にしろとか、頼るなとか、言うけど。

わたしにどうして欲しいの?


あぁー‼︎もう分かんない‼︎


面倒臭くなってまた考えることを放棄したわたしは、床をグイッと押して立ち上がった。

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