儚い瞳の守り人
地面に着地した萊はその怪我を気にする暇も惜しいんでるかのように、直ぐわたしたちに指示を出した。
「取り敢えず走る。付いて来て」
ど。どうしよう。
足が震えて、固まって動かない。
だって萊が…萊……が。撃た……。
「何やってんだ、お嬢‼︎」
萊の言葉に反応するように身体に衝撃が走ると、固まっていた足はその場で崩れそうになりながらも、どうにか動き出した。
萊の後に続いて、必死に追いつくように走っていると萊が左足を押さえてるのが見えた。
撃たれたのは左足……?
そう思って萊の後ろ姿をよく見ると、萊の身体はもうボロボロだったことに気付く。
制服は所々破れていて、その左足を抑える腕からは赤い液体がちらつく。
撃たれたのは、腕。
足はわたしたちを担いで柵を飛び越えた負担が来たのかもしれない。
「萊。血が…」
「別にどうってことない」
萊は平然とした口調でそう言った。
嘘つき…。