儚い瞳の守り人


「蓬?きつい?」

鷹姉の言葉でわたしを現実に引き戻されたわたしは必死に首を横に振る。


「ごめんなさい。大丈夫…」

「ならいいけど…」


鷹姉ももう体力に余裕がないのかそう言うと黙り込んだ。


前を見ると、わたしに心配されるのが嫌なのか、萊は足を抑えなくなった。

腕も、後ろにいるわたしから見えないよう隠すようにして前に出している。



ーーどうってことないふりなんかしなきゃいいのに…。


辛いなら辛いって、痛いなら痛いって言ってくれれば…。

わたしにどうにか出来る訳じゃないし、わたしが何を言っても気休め程度にしかならないかもしれないけど。


そんな言葉を発せないほど、わたしは萊にとって心を許せない相手?


そう思うと、やっぱりショックで。


守り人以前に、空白の期間はあっても誰よりも昔から知っている、幼馴染みなのに。

気を許せないのはわたしが守られる存在だからなの?


萊の支えになるには、わたしが弱すぎるからなんだ……考えれば考えるほど、そう感じる。

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