儚い瞳の守り人


……そうだよね。確かにわたしたちがここにいること自体、違和感があるしどうすればいいかなんて分からない。


「ここ。何もないな」

亜紀兄も鷹姉に同調するように不思議そうに周りを眺めた。


受付のような無人のカウンターの内側にはドアがあって、そのカウンターの手前にはテーブルと2つのソファーが向かい合わせになっている。


会社のようにも見えるがそれにしては少し雰囲気が違う。


何だろう……シンプルと言えばシンプルなんだけど、必要最低限の物しか置かれてない感じ。


「一体どこなんだろ…ここ」

ぽつり、またぽつりと疑問が出てきては口に出して、解決することなく消えた。


でも今頃あのドアの向こう側では萊の手当てにここの会の人たちは忙しいのだろうから…。


わたしたちはこの状況が変わるのを待つように、ただ立ったままでいた。


わたしたちは萊に導いてもらって何とかここに辿り着いただけ。

そして今も、わたしたちは待つだけしか出来ない。


それが、少しもどかしいよ……。



不意にわたしたちが入ってきた入り口のドアが開いた。

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