儚い瞳の守り人
「ただいま帰った、って、ん⁉︎」
50代ぐらいのがっちりした体型のおじさんが入ってきて、わたしたちを見ると大袈裟とも言えるほどオーバーに驚いていた。
わたしたちも驚いたけど、そりゃそうだ。わたしたちは完全なるここの部外者なんだから。
「すみませんねぇ。初めてここに拠点を移してお客さんが来たもんだから」
「え、いや。お客さんじゃなくてわたしたちは」
「……ん?もしかして蓬お嬢ちゃんだったりして」
「あ…はい……そうです」
なんでこの人わたしのこと知ってるんだろう。
萊がわたしのことについて何かこの人に話してたのかな?
不思議に思っていると、相手の方も不思議そうな顔をしてわたしたちを見た。
「萊斗は?」
「えっと……怪我をしてて、茶髪の男の子が奥に連れて行ってくれました」
「ほぉ……怪我、ね。まぁ取り敢えず入って。あぁ自己紹介。俺はこの会を取り仕切っている長(オサ)。そのままだが長と呼んでくれ」
長と名乗ったおじさんはがっはっはと豪快に笑って、わたしたちを中へと案内してくれた。