儚い瞳の守り人
見た目は狭そうに見えたけど、ドアの向こう側は意外と広いスペースで仕事場のようなデスクやパソコンなんかもあって、奥にはもうひとつ扉がある。
そのドアを開けると、真ん中にある四角いテーブルを囲むように椅子があり、その周りは物で溢れていた。
人生ゲームやダーツ……なんかもある。
何で、そんなもの?
ガラス張りの広い部屋にはスポーツジムのように、種類豊富なマシーンが置いてあった。
不思議な空間だな…ここ。
生活感があると言えばあるんだけど、やっぱりどこか違和感を感じるし、遊び場みたいな。
他の部屋と違ってひとつだけ引き戸になっている、少し床が高くなった小さな畳の部屋に案内してくれた長は、押入れから座布団を人数分出してきてくれた。
「奏愛(カナメ)。お茶を出してくれ」
「はい」
外に顔を出して叫んだ長に、遠くから答える少し低めの女の人の声がした。
そっか。安心した、ちゃんと女の人もいるんだ。